ターポリン

ターポリンとは

数ある膜材の中でも人気のある「ターポリン」は、ポリエステル繊維の生地で、屋外テントや横断幕など身近なところでも使われている素材です。名称を知らなくても、実はほとんどの人が日常生活でよく見かける定番素材です。

ターポリンとは、「ポリエステル製やナイロン製の布を、塩ビ樹脂（軟質の合成樹脂フィルム）で挟んだ強度の高いビニール素材の生地」の総称です。
屋外利用に向いている素材のため、頻繁に取り外しが容易でない屋外用カーテン・間仕切り壁や、高所などの常時設置に適しています。

ターポリンの特徴

ターポリンの特徴は大きく以下の3点です。

耐久性｜丈夫で強度がある
防水性｜雨・雪、汚れに強い
印刷性｜発色が良く、インクジェット出力が利用可能
防炎性｜延焼を防ぐ防炎加工が施されている

耐久性・防水性

ターポリンの特徴は、雨風に強く、耐久性に優れている点です。生地に厚みがあり、防水性や防汚性にも優れているため、数年間屋外で使用できる耐久性があります。
ターポリンは薬品用タンクなどに使われる「塩化ビニル」素材で表面をコーティングしていることで、布単体よりも防水・防炎、耐油・耐薬品性などが高くなります。
強度の面でも、布を塩化ビニルで挟んだ3層構造になっているため、単一素材よりも強いです。生地の強度を計測する引き裂き強度実験では、布の10倍もの強度があるという結果も出ています。

防炎性

ターポリンには被害を少しでも食いとめる「防炎加工」が施されています。ターポリンは、ポリエステルという化学繊維でできている繊維製品です。ポリエステル自体は比較的燃えにくい素材ですが、全く燃えないわけではありません。そのため万が一火がついても、最低限の焦げや溶けることで延焼を防ぐ「防炎加工」が施されています。

なお不特定多数の人が出入りする施設や建築物では、防炎加工の施されたものを使用することが消防法第8条の3で義務付けられている場合が多く、特に商業施設・イベント会場、高層建築物（高さ31m以上）、地下街・劇場・旅館、病院、飲食店・ガソリンスタンドなどでは防災加工を施した素材使用が必要である場合が多いので特に注意が必要です。

デメリットは「重さ」

ターポリンは重さがあるため、持ち運びには不向きです。布や織物の両面に塩化ビニル樹脂を塗布させた3層構造のため重量があります。実際に重さは布が100～150g/㎡ほどの重さですが、ビニール製ターポリンは400g/㎡ほどで2倍以上の重量があります。

ターポリンの用途・利用シーン

ターポリンは屋外で長時間使用する用途に適しているため、屋外テントや屋外カーテン、工事現場の養生シートなどで幅広く使用されています。また印刷性にも優れていることから、屋外看板や横断幕・懸垂幕などでもよく使われています。
また耐久性と耐水性を活用し、機械設備のカバー、機材用バッグ・リュックなどにもターポリン生地が使用されています。

ターポリンの種類・タイプ

ターポリンには１類と２類がある

建築工事で使用するシートにはその性能（引張強さや耐貫通性・防炎性など）が、JISA8952「建築工事用シート」により厳格に規定されています。
その中で、シート単体で落下物による危険防止の目的に使用されるものを1類、シートと金網を使用して落下物による危険防止に使用される「2類」の2種類に分類されます。
工事や建築現場以外のご使用の場合は、2類のシートでも、十分汚強度があります。