工場や倉庫の暑さ対策とは?熱中症にならないために出来ることを倉庫全体・個人で分けて解説

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日本の夏は年々暑くなり、熱中症で緊急搬送される人が増えています。2023年6~9月、工場・倉庫などの仕事場で熱中症により救急搬送された人数は9,324人にも上りました。倉庫や工場は熱がこもりやすく、暑さ対策が重要です。

適切な暑さ対策を行わないと、倉庫作業員の体調不良や熱中症のリスクが高まります。本記事では、日本の夏の暑さの原因と、倉庫での効果的な暑さ対策を個人と倉庫全体に分けて紹介します。具体的な暑さ対策とは?手軽にできる暑さ対策は?倉庫で作業する際の適正な気温は?などの疑問をお持ちの方はぜひ最後までお読みいただければと思います。

倉庫や工場全体での暑さ対策方法

工場・倉庫施設全体での暑さ対策方法は、エアコンやスポットクーラーなどの空調設備を活用し室温を下げることや、大型扇風機・シーリングファンなどで熱がこもらないよう空気の循環を促すことが基本です。ただ、それだけでは室温が快適な温度にならない、エアコンの馬力が足りないのか?とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

工場や倉庫が暑くなる最大の要因は、金属製の折板屋根が放射する放射熱です。夏は、この放射熱が建物内部の温度を急激に上昇させ、作業環境を悪化させることがあります。折板屋根に遮熱シートや遮熱材を施工すれば、屋根からの熱の伝わりを抑制し、根本的な暑さ対策が可能です。

また、建物内の空調効率を高める方法として、間仕切りカーテンシートブースの設置が非常に効果的です。空調の効率が向上し、室内全体の温度を均一に保つことができます。以下で詳しくご紹介します。

遮熱シート・遮熱材の導入

遮熱シート・遮熱材とは

遮熱シート(遮熱材)とは、建物の屋根などに施工し、工場や倉庫内の温度上昇を抑えるための設備です。

とくに折板屋根の工場や倉庫の場合、輻射熱(放射熱)を反射させる遮熱シートを屋根の下に施工することで、輻射熱(放射熱)による倉庫・工場内の室温上昇を効果的に防ぐことができます。輻射熱(放射熱)は遠赤外線により伝わる性質があり、人体の奥まで熱が届く特徴も。倉庫や工場のように屋根が大きい建物は、日射による熱が室温上昇に大きく影響するため、遮熱シートは非常に有効な手段です。

遮熱シートはアルミ純度が高いほど日射の反射率が高くなるため、選ぶ際はアルミ純度の高い商品を選ぶのがおすすめです。なお遮熱シートは赤外線を反射するための設備であり、保温効果は期待できません。冬の寒さ対策が必要な場合は、別の設備やグッズを利用しましょう。

遮熱シートを設置するには施工が必要で、1回の施工で5年~10年ほど連続して利用することが可能です。傷や汚れ等が生じた場合は、再度施工を行う必要があります。

遮熱シート・遮熱材の施工方法

遮熱シートの施工方法として、最も効果的なのは屋根や屋根裏への施工です。遮熱シートを屋根に取り付けることで、太陽光からの熱を反射し、建物内部への熱の侵入を大幅に抑えることができます。屋根裏に施工する場合も同様に、熱の伝わりを防ぐ効果があります。それにより、倉庫や工場内の温度を快適に保ちやすくなります。

また、外壁や内壁などの壁への施工も可能で効果的です。外壁に遮熱シートを貼ることで、外部からの熱を反射し、室内温度の上昇を防ぎます。内壁に施工する場合も、室内の快適性を高めることができます。

遮熱シートの施工は基本的に専門業者に依頼するのが望ましいです。遮熱シートは取り扱いがしやすいものではありますが、取り付けには適切な材料の選定や施工方法が求められ、専門知識と技術のある業者に作業依頼することで、確実な効果を得ることができます。

遮熱シート・遮熱材の施工事例

愛知県にて折板屋根用遮熱シートを施工した事例です。こちらの遮熱シートは、屋根に穴を開けたりビスを打ったりする必要がなく、専用ブラケットで挟み込み、フレームを固定する施工方式なので、屋根を痛めることはありません。

遮熱シートを折板屋根に施工|ルーフシェード施工

遮熱シートの施工詳細 愛知県の商業施設にルーフシェード(折板屋根用遮熱シート)を施工しました。 暑い夏場の金属製屋根は、直射日光から伝わる灼熱温により急激な室温…

こちらは別の施設に施工した遮熱シート(ルーフシェード)です。

ルーフシェード

ルーフシェードの施工例 写真は弊社の施工した、ルーフシェードです。弊社が手掛けたルーフシェードの施工事例です。 ルーフシェードについて 工場、倉庫、店舗等の空調費…

当社丸八テント商会では、遮熱シート・遮熱材の施工を全国どこでも承っております。もしご興味のある方は、カタログの送付やお見積り、施工を検討している現地でのお打ち合わせなどを承っております。お問い合わせフォームからぜひご相談ください。

間仕切りアイテムの設置

倉庫や工場には間仕切りが少ないケースが多く、空調効率が悪いため冷房や空調設備だけではなかなか涼しくならないことも。そこでおすすめなのが、ビニールカーテンやシートシャッターなどの間仕切り製品の設置です。

間仕切りカーテン

間仕切りカーテンとは、建物の内外に設置し、簡易的に間仕切りをつくるための「ビニール製カーテン」のこと。工場・倉庫内を間仕切りシートで適切に仕切ることができれば空調効率がアップして、冷房の効きが良くなります。

間仕切りカーテンにはさまざまな種類があるので、倉庫の広さ、保管している商品に適したものを選ぶのがおすすめ。

目的に合った間仕切りカーテンを設置することで、エアコンの効率アップだけでなく、雨除け、風除け、防炎、防虫などさまざまな効果を見込めるでしょう。

のれん式ビニールカーテン
のれん式ビニールカーテン
虫の進入を防ぐ「防虫カーテン」01
虫の進入を防ぐ「防虫カーテン」

シートシャッター

ブース・間仕切り壁

機材への暑さ対策も忘れずに!

作業場所の温度が40℃を超えると、電気設備機器が故障したり、誤作動を起こしたりするリスクが高まります。
建物内に熱源設備がある場合は、機器や設備に遮熱シートを貼ることで、輻射熱放による故障・誤作動を防止することができます。

EV設備室に遮熱シートを施工した事例
屋外設置・機械用雨除けテント・カーテン03
屋外設置・機械用テント

また、電気設備機器のある区画に間仕切りカーテンを設置し、空調効率を高める方法も効果的です。
建物内が熱くなると、従業員だけでなく機器や設備にも悪影響を及ぼします。機材の暑熱対策も忘れずに実施しましょう。

個人でできる暑さ対策3選

まずは個人でできる簡単な暑さ対策の方法について以下の3つの方法をご紹介します。

こまめな水分補給

汗で失った水分を補うため、定期的な水分補給が必要です。体内の水分が奪われると熱中症の原因にもなるので、体を守るためにもこまめな水分補給を徹底しましょう。特に猛暑日には、スポーツドリンクで水分と塩分を同時に摂取するのが効果的です。

空調服の着用

空調服にはファンが組み込まれており、着衣内の空気を循環させ、汗を迅速に乾かします。ただし、ほこり・粉塵の多い場所では着用を避けるのが望ましいです。

市販の暑さ対策グッズの利用

ネッククーラーや冷感インナー、ヘルメットインナー、冷却スプレーなど、市販のグッズを活用することで暑さを防ぐのもおすすめです。職場内への持ち込みルールがある場合もありますが、必要に応じて便利なアイテムの導入を検討してみましょう。

倉庫内の暑さの主な原因

倉庫が暑くなる主な原因は、①構造上の原因②空調設備の老朽化・故障の2点です。ここでは原因について簡単に解説します。

構造上の原因

倉庫や工場が暑くなる主な原因は、広い屋根や壁が太陽熱を吸収しやすいためです。倉庫・工場の建物に多く使われている折板屋根は輻射熱の影響を受けやすく、夏は表面温度が70度近くまで上昇し、内部に熱気が滞留します。熱は蓄積され時間経過とともに室温が上昇してしまうのです。

また、仕切りがなく天井も高い場合、空調効果が十分に発揮されない場合があります。また周囲の建物による日陰がないことも多く、広い屋根や建物全体が直射日光にさらされ、温度が上昇しやすくなります。空調がない場合、屋内の気温は40~45℃に達してしまいます。

厚生労働省のWBGT(暑さ基準値)によると、倉庫や工場の適正上限気温は26~30℃であり、これを超える倉庫・工場は早急な対応が必要です。

空調設備の老朽化や故障

エアコンやクーラーファンなど空調設備の老朽化、故障なども考えられます。とくに古い倉庫・工場は、空調設備が古く、機能が低下しているケースも多く、故障が起きるリスクも上がります。

熱がこもりやすい倉庫・工場内は、冷房や空調が効きづらいため、空調設備の機能性が低いと暑さ対策が疎かになります。空調設備の見直しや点検などの対策を早めに講じる必要があります。

暑さ対策の目的

作業効率の低下を防ぐ

倉庫内が暑いと、従業員は汗を拭ったり、服が汗で濡れたりなどの不快な状態が続きます。快適でない倉庫・工場での作業は、集中力が低下し、作業効率低下を招きます。また労働意欲の低下から、離職が増えることも懸念されます。倉庫内の暑さ対策を行って適正温度を維持することで、作業効率を維持し、従業員のモチベーション維持や生産性向上が期待できます。

熱中症を防ぐ

倉庫内・工場内の暑さ対策により、熱中症リスクを減らせます。換気が不十分な倉庫や工場では、汗が蒸発しにくく体内の熱が逃げにくいため、熱中症の危険が増します。従業員の健康を守るためにも、暑さ対策は必須です。

製品の品質維持

倉庫や工場で保管する製品や商品が高温にさらされると、融解や変形が起こることがあります。品質を保つためには、室温を適正に保つことが重要です。特に食品などは劣化しやすいため、徹底した暑さ対策が必要です。

作業中に重傷者や死亡者が出た場合、企業が安全配慮義務に違反して労働者の安全を守らなかったことになり、労働者に対して損害賠償責任を負う可能性が出てきます。企業は、労働者の安全対策を検討し、作業環境を改善しなければなりません。熱中症のリスクを回避するため、しっかりと対策を検討していくことが求められます。

日本の夏の暑さの現状

夏の暑さが年々厳しくなってきているように感じませんか?この項目では、日本の暑さについてや、熱中症の現状についてお伝えします。

年々日本の夏は暑くなっている

国土交通省 気象庁による1898〜2023年の平均値をあらわしたグラフによると、日本の夏(6~8月)の平均気温は徐々に上昇しています。

参照:国土交通省気象庁|日本の夏(6〜8月)平均気温偏差の経年変化(1898〜2023年)より

2023年の夏は、基準値(1991〜2020年の30年平均値)から+1.76℃の偏差を記録し、1898年の統計開始以降、最も高い値でした。また夏の平均気温は長期的には100年あたり1.25℃の割合で上昇しており、データでみても日本の夏はどんどん暑くなっていると言えます。

2023年の熱中症による救急搬送者は91,467人

総務省の統計では、令和5年(2023年)6~9月の熱中症による救急搬送者は累計91,467人・1日平均約750名となっており、平成20 年の調査開始以降、2番目に多い搬送人員でした。

参照:令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省消防庁 報道資料

工場・倉庫等での熱中症による救急搬送者は9,324人

熱中症による救急搬送の発生場所別でみると、令和5年(2023年)6~9月は、仕事場①にあたる工場・倉庫等で、9,324人が熱中症で救急搬送されました。これは全体の10.2%にあたります。

参照:令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省消防庁 報道資料

夏の熱中症は大変な問題であり、工場・倉庫も例外でないことがわかります。

まとめ

工場・倉庫の暑さの原因や具体的な暑さ対策の方法などについて解説をしてきました。倉庫や工場は、屋根も広く直接日光の影響を受けやすいためしっかりと対策を行っていない場合すぐに熱中症などになってしまう恐れがあります。そうならないためにも一つずつ対策を行い、会社全体として・個人として、暑さ対策を徹底し、快適な職場環境としていきましょう。

当社丸八テント商会では、遮熱シートやカーテン・シートシャッターなどの間仕切りアイテムをラインナップしております。ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

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