防炎加工と不燃性能の違い

火災時の安全面を考慮したテント素材として、『防炎』と『不燃』という言葉を耳にします。この二つの性能の違いについて説明します。

防炎とは「燃えにくい」という性能を示す用語です。仮に着火しても自己消火性があり、際限なく燃え広がらないことを意味し、炎が当たった部分だけ焼け落ち、その周りは黒く焦げて鎮火します。ほとんどのテント生地は防炎加工が施されています。

不燃とは「炎を加えても燃えない」ではなく、あくまで「燃え抜けない」という解釈です。テント地の基布をガラス繊維で作り、その表裏面を塩ビ樹脂でコーティングしたもので火事の際は塩ビ樹脂の部分は燃え落ちて、ガラス繊維で出来た基布だけが残ります。テント倉庫、工場の間仕切りなどに適しています。折り曲げに弱いので装飾用としては不向きです。

不燃認定材料とは

建築基準法では、火災に備えて、さまざまな規定を定めています。その中のひとつが防耐火材料についての規定です。防耐火材料とは、不燃材料・準不燃材料・難燃材料を指します。

これらには、建築物の規模、用途、場所などに応じて、細分化された使用規定があります。その不燃・準不燃・難燃材料については、国が定める試験機関において厳密な試験が行われ、その後、国土交通大臣が認定することになっています。この認定を受けていない材料は、法的規制のある部位への使用ができません。